【3月のおすすめ】グアテマラ エル・コロリド アナエロビック・ナチュラル
今回の記事では、3月から発売開始の「グアテマラ / エル・コロリド アナエロビック ナチュラル」をご紹介します。2年目となる「エル・コロリド」プロジェクトで作成した、オリジナル発酵プロセスのコーヒーになります。エル・コロリドのコンセプトである"生産処理によるさまざまな彩り(味わい)"を、前年ロットとも比べて・感じとってみてください。
<ナランハレス農園(エル・コロリド)の基本情報>
- 生産地:グアテマラ
- 農園:ナランハレス
- 地域:ニューオリエンテ
- 標高:1,535-1,640 m
- 品種:パチェ40%, パカス25%, カティシック20%, カトゥアイ15%
- プロセス:アナエロビックナチュラル
<2年目となる「エル・コロリド」プロジェクトの新しいチャレンジ>
ナランハレス農園にて、スタッフが収穫から携わりオリジナルプロセスのコーヒーを作りました。
エル・コロリドは、生産者、消費者、自然環境のすべてにとってGOODで、サスティナブルであることを目指して活動するGOOD COFFEE FARMS(以下、GCF)との「My Farms 契約」プロジェクトから生まれたコーヒーです。このプロジェクトでは、私たちがGCFに所属する農園の一区画を「My Farm」として長期(10年)でお借りし、栽培、収穫、そして生産処理までを現地と協働して行うプロジェクトです。この取り組みにより、農園に契約年数分の安定した賃金が渡り、また私たちコーヒーショップは収穫から生産処理を詳細にカスタマイズした付加価値の高い独自のコーヒーロットを生産し、皆様にお届けすることができます。私たちはプロジェクト第一号の契約を結び、グアテマラのハラパ県にあるナランハレス農園の一区画をお借りし、2022年から直接現地を訪れ、コーヒーの収穫から生産処理を行っています。
昨年は、ハニーやドライウォッシュドといった伝統的なプロセスを採用した銘柄を紹介しましたが、今回はアナエロビック発酵プロセスを取り入れたオリジナルロットを作成したので、こちらのお披露目になります。
<嫌気性発酵×日陰干しのオリジナルプロセスコーヒー>
アナエロビック(ファーメンテーション)プロセスとは、発酵の技術を取り入れたプロセシングで、コーヒーに特徴的で明確なフレーバーをつくることができます。近年の気候変動によって生産量が減少してしまった生産者にとって、付加価値を生むことで収入を補うことができるため、注目を集めています。
このアナエロビック・プロセスによる味作りでは、発酵度合いのコントロールが重要です。特に過度な発酵はお酢や腐敗したネガティブな香りを形成するリスクがあります。私たちは現地で、発酵の進み具合をタンク内のpHを測定し観察しながら、狙いとする発酵具合(pH4.1)に調整を試みました。その後、このロットではコーヒーチェリーの果皮をつけたまま乾燥させるナチュラル・プロセスを採用しましたが、この乾燥工程でも、日陰干しを採用し時間をかけて乾燥を促すことで、酵母の活動期間を長くすることで奥行きのある味わい作りを試みました。
適度な嫌気性発酵と日陰干しのナチュラル・プロセスが組み合わせることで、コーヒーチェリーのもつ糖由来のまろやかなチョコレートを思わせる味わいと、嫌気性発酵によるベリーやトロピカルフルーツのような明るい酸を感じやすいコーヒーに仕上がったと思います。
<エル・コロリド ナチュラルの美味しい淹れ方ガイド>
今回のエル コロリドのアナエロビックナチュラルでは、ベリーやトロピカルフルーツを思わせるフルーティーな酸を弾き出すことにフォーカスしてレシピを組んでみました。ぜひお試しください。
エル・コロリドはフルーティーな酸を持っていますが、ナッツを思わせるビターさも同時に持っており、このビターさをなるべく抽出しないように少し粗めにグラインドしています。しかしそのままでは成分が全体的に抽出されにくくなってしまうため、注ぎわける回数を増やすことでフルーティーな酸の印象を引きだしています。トロピカルフルーツのような酸味とベリー類を思わせるフレーバーをお楽しみください。