



エチオピア メワ
南部エチオピアの森から届いた、果実の透明感
エチオピア南部ウェストアルシ地域の自然豊かな高地で生まれた、スペシャルティコーヒーです。
このロットは、現地の小規模農家が丁寧に育てた完熟チェリーを、伝統的なナチュラルプロセスにより丁寧に仕上げたもの。ベリーやトロピカルフルーツを思わせるジューシーな果実味に、チョコレートのようなまろやかさ、そして際立ったクリーンカップが印象的です。
感じられるフレーバー
異なる2種類の土壌と涼しい気候が織りなす個性
このコーヒーのふるさとは、エチオピア中東部・オロミア州のネンセボ地区。標高2,250〜2,350mの高地に位置し、スペシャルティコーヒーの栽培に理想的な環境が整っています。
この地域の土壌は、主にアンドソル(Andosol)とニトソル(Nitisol)という2つの異なる個性を持つ土壌に覆われています。
アンドソルは非結晶性鉱物に富み、フレーバーの前駆体を豊かに蓄えるため、香りの華やかさや果実味の表現力に大きく寄与します。
一方、ニトソルは粘土質で保水性・保肥力に優れ、コーヒーに厚みのあるボディや甘さの奥行きをもたらします。
また、年間降水量1,200〜2,000mm、平均気温15〜20℃という涼しい気候、そして昼夜の大きな寒暖差によって、チェリーの成熟をがゆっくりと進みます。これにより、酸味と甘さが複雑に絡み合い、味わいに立体感が生まれるのです。
この地で育まれるコーヒーは、近年COE(Cup of Excellence)でも高評価を獲得し、イルガチェフェやシダマに次ぐ注目の産地として国際的な評価を高めています。
Heirloom 品種とは?
エチオピアでは、庭先や自然林の中で土着しているコーヒーを、ガーデンコーヒー、フォレストコーヒーとして栽培する形態がまだまだ一般的です。これらの土着品種は、遺伝学的な品種分類がはっきりしていない場合が多く、エアルーム品種(Ethiopian Heirloom)、日本ではエチオピア在来種、またはエチオピア原種などの包括した俗称で呼ばれています。
このエアルーム品種は、野生種と半野生種の2つのグループに大きく分類されます。エチオピアの野生種はグレート・リフト・バレーの西側に自生していた品種です。半野生種の多くは、1967年に設立された「ジンマ農業研究センター(Jimma Agricultural Resarch Centre (JARC))」で開発された品種です。
遺伝的に非常に多様であるHeirloomは、同じ地域でもマイクロロット単位でまったく異なる味わいを見せてくれます。そのため、ナチュラルプロセスと組み合わさることで、果実の複雑な表情やフローラルな香りが際立ち、飲み手に驚きと感動を与える存在となるのです。
丁寧な手仕事が生む、クリーンで豊かなナチュラルプロセス
このロットは、エチオピアで伝統的に行われてきたナチュラルプロセスによって仕上げられています。ただし、その工程は非常に繊細で、精度の高い管理のもと行われています。
まず、収穫は農家による手作業で、熟度を見極めた完熟チェリーのみを選別します。その後、メワ・ウォッシングステーションに持ち込まれたチェリーは、浮力によるフローター除去、さらに視覚的な手選別によって、未熟果や過熟果を徹底的に排除します。
乾燥はアフリカンベッド上で20〜25日間、日陰と直射のバランスを見極めながらゆっくりと進められます。乾燥中は1日数回の攪拌や、強光・夜露から守るためのシートカバーを活用するなど、細やかな管理が品質を支えています。
乾燥後は適正な水分値に調整され、パーチメント(内果皮がついた状態)のまま安定化期間を経て脱殻・精選されます。こうした丁寧なプロセスを経て完成するのが、フルーティでありながら雑味のない、クリーンでエレガントなナチュラルコーヒーです。
一杯のなかに宿る、記憶と出会いのストーリー
このロットとの出会いは、ひとつの偶然から始まりました。エチオピアのコーヒーが市場に出回りにくかった昨年秋、Tri-up社から提示された数少ないエチオピアのサンプルの中に、このMEWAのロットがありました。
初めてその風味に触れたのは、センサリーセミナーのカッピング。あまりにもクリーンで美しく、「これは販売してないのか」と皆が口を揃えたほど印象的でした。Tri-upのロットに並んだ瞬間、あのときの感動がよみがえり、購入を即決。その理由はシンプルで、「本当においしかった」からに他なりません。
クラシックの中に見つけた、現代の洗練
エチオピア ナチュラルの持つ野性味と、スペシャルティコーヒーが追求する繊細さ。その両者が出会ったとき、そこには新しい味の物語が生まれます。伝統を重んじつつも、現代の品質基準を見事に満たした、洗練されたエチオピアコーヒーをぜひご体験ください。
【生産国】エチオピア
【地域】ウェストアルシ地区
【農協】メワウォッシングステーション
【標高】2,250m - 2,350m
【品種】エチオピア原種
【プロセス】ナチュラル
【焙煎度】浅煎り
Country:Ethiopia
Region:West Arsi
Producer:Mewa Washing Station
Altitude:2,250m - 2,350m
Varietals:Heirloom(Helena Forest Heirloom)
Process: Natural
Rost Level:Light roast
コーヒーの保存方法について >>
コーヒー豆は、チャック付バッグに入れてお届けいたします。
背面にはコーヒー豆の焙煎日が記載されています。
<美味しく飲む目安>
ハンドドリップ:焙煎から2〜3週間くらいが豆の持つ風味がバランスよく感じられます。
エスプレッソ:焙煎から3週間前後くらいが甘さを感じやすく、ミルクとの相性もよく感じられます。
焙煎後2ヶ月くらいまでを目安にお召し上がりください。
<長期保存について>
飲みきれない場合は密閉容器で冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存の場合は、半年ほどの期間を目安にお召し上がりください。
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