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記事: 【Portrait of a Barista】鈴木 力 / 渋谷店

【Portrait of a Barista】鈴木 力 / 渋谷店

【Portrait of a Barista】鈴木 力 / 渋谷店

ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」
今回は渋谷店の鈴木さんに、6つの質問を答えていただきました。

 

 

Q1 生まれ育った街について教えてください。

神奈川県・相模原市の上溝という地域です。近くには相模川が流れ、車で30分ほど走れば富士吉田市までつづく道志みちに出られます。都心へのアクセスもよく、車があれば、海にも山にも1時間圏内で行ける。茅ヶ崎でマリンスポーツをしたり、道志みち沿いでキャンプをしたり。どこへ行くのにも距離感がちょうどよく、出かけることを想像するだけで楽しくなる土地です。


Q2 バリスタを目指したきっかけは?

父がコーヒー好きで、自宅にはハンドドリップはもちろん、ネルドリップやサイフォン、家庭用のエスプレッソマシンなど、いろいろな器具がありました。子どものころ、あれこれ試しながらコーヒーを淹れる父の姿を、化学実験みたいだなと思いながら興味津々にみていたんです。
自分でコーヒーを淹れはじめたきっかけは、高校生のときに茅ヶ崎のマイクロロースターで飲んだエスプレッソでした。極深煎りの豆でしたが焦げ感が邪魔することなく、フルーツのフレーバーがはっきりと感じられて、余韻がすごく長くつづく。ほんの少量のなかに、こんなにも多様な世界がひろがっているんだと感動して、「自分でも淹れてみたい」と思うようになりました。
ウッドベリーとの出会いは、代官山店を訪れたときでした。当時の店長の奥野さんに接客していただき、学生時代に接客が好きで通っていた、みなとみらいのminato coffeeと同じような心地よさを覚えました。コーヒーという自分の好きなものをとおして、その魅力だけでなく、人と人との交流を生み出せる仕事がしたい。そう思って、ウッドベリーに入ろうと決心しました。


Q3 好きなコーヒー豆を教えてください。

コロンビア/ラス・マルガリータス農園のスーダン・ルメがいちばん好きです。スーダン・ルメは、スーダンのエチオピアとの国境近くにあるルーメ村で発見された希少品種です。品種としての珍しさだけでなく、飲んでみると山椒のようなスパイシーさとハーバルな印象があり、味わいも一風変わったものでした。なおかつ、しっかりと甘みも感じられ、温度が下がっていくにつれて味わいがどんどん変化してゆく。定番のジャスミンやベルガモットとはまた異なる味わいのインパクトがいまも残っていて、それ以来スーダン・ルメのコーヒーを見つけると、たとえべつの農園さんでも手に取るほど、惹きつけられたお豆です。


Q4 いまハマっているカルチャー(本や音楽、映画など)を教えてください。

私は大学で建築を専攻していたのですが、きっかけは、ドイツのバウハウスでした。第一次世界大戦後の不安定な時代に、芸術や建築をとおして理想の社会を目指した芸術学校で、その「建築は総合芸術である」という理念に強く惹かれたんです。
以来、ずっと芸術全般が好きなのですが、いまはとくに油絵を描くことにハマっています。油絵は水彩と違って色が簡単に混ざらず、物理的に層として残るので、その遠近感や筆のタッチの仕方によって表情が変わるところがおもしろいんです。風景画を中心に、じっさいに足を運んで景色を描くこともあれば、自分のイメージをもとに描くこともあります。身の回りにあるものすべてが題材になるというか、「これを描いたらどうだろう」と考える時間も楽しいです。
なにより、時間を忘れて没頭できる。コーヒー以外にも「自分はなにを表現したいのか」と向きあえるものとして、キャンバスの前にいる時間は刺激的で、大切な時間です。


Q5 渋谷店の気に入っているところを教えてください。

渋谷店は、ウッドベリーのなかでもとくに幅ひろいお客さまがいらっしゃる店舗です。ほかの店舗やウッドベリーというブランドにつながる架け橋のような存在で、コーヒーに詳しい方も、これまであまり馴染みのなかった方も、さまざまなきっかけで足を運んでくださいます。
コーヒーやお食事はもちろん、近くにあるベーカリーのパンや焼き菓子も含め、ひとつの出会いをきっかけに「こんなにおいしいコーヒーがあるんだ」と、好奇心がかきたてられている瞬間に多く出会えることが、渋谷店の好きなところです。


Q6 これからの未来のためにしていることは?

私はこれまで、考えてから動くタイプで、もったいない時間を過ごしてきたと思っているので、いまはまず行動し、その過程で考えつづけることを意識しています。
そうして感じたのは、頭のなかで思っていたことと、体感したこととのあいだには、想像以上のズレがあるということでした。自分の偏見に気づかされることも多く、“たしかなこと”は、行動しないと得られないのだと実感しました。
また、12月から副店長としてマネジメントにかかわるようになり、想像以上に多くの人が関わり合いながらお店が成り立っていることを、日々感じています。自分が動くことで、人と人のつながりをもっとたくさんつくることができれば、よりよい未来がつくれるだろうと思っています。

オリジナルマガジン"PNEUMA" ISSUE43より抜粋

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