






コロンビア セロ・アスール農園 ゲイシャ ナチュラル
	
		 
	
世界を魅了し続ける、青い丘の物語
	世界中のバリスタが競う舞台で、その名が何度も呼ばれてきたコーヒーがあります。
	その名は、"コロンビア セロ・アスール ゲイシャ"。
	「青い丘(Cerro Azul)」という意味を持つ農園の豆は、2012年、国際的なコンペティションで高得点を獲得し、世界大会のバリスタたちのカップに選ばれ、コロンビアにおけるゲイシャの象徴として確固たる地位を築きました。近年では、2019年ジャパン バリスタ チャンピオンシップにて、石谷貴之氏が使用し優勝を果たしたことでも知られています。
	毎年、国内外のトップロースターやバリスタたちがこの農園のロットを待ち望むのは、そこに “再現できない美味しさ” があるからです。
	今回ご紹介するのは、「コンペティション セレクション(Competition Selection)」と呼ばれる、農園の中でも最上位に位置するゲイシャ種のナチュラルプロセス。セロ・アスールの真価を最も美しく表現するロットのひとつです。
感じられるフレーバー
	
		 
	
	
		 
	
農園の系譜とリゴベルト・エレーラ
	セロ・アスール農園は、コロンビア南西部カウカ地域、標高1,700〜2,000mに位置します。太平洋岸から流れ込む冷たい風と高標高が生む冷涼な気候、そして昼夜の大きな気温差という厳しい環境。この条件こそが、果実に糖を集中させ、比類なき甘さと香味をもたらす秘訣です。
	農園は1945年に創業し、現在の主であるリゴベルト・エレーラ(Rigoberto Herrera)氏は三代目。彼は2007年、パナマのラ・カレイダ農園(La Carleida)をリースで管理する機会を得ます。そのわずか1年後、Best of Panamaで見事1位に輝き、世界に衝撃を与えました。
	その経験を経て彼が持ち帰ったのが、パナマ原産のゲイシャ種。これを初めてコロンビアに持ち込み、栽培を成功させたのが彼であり、彼の手によってコロンビア初のゲイシャ栽培が始まりました。
	この出来事は、カフェ・グランハ・ラ・エスペランサ(Café Granja La Esperanza/略称CGLE)の転換点でもあります。以降、同グループは「科学的アプローチによる品質創造」を掲げ、コロンビアのスペシャルティコーヒーを世界トップレベルへと押し上げていきました。
	
		 
	
カフェ・グランハ・ラ・エスペランサという哲学
	CGLEは、ポトシ農園、ラス・マルガリータ農園、そしてこのセロ・アスール農園を中核とする名門生産グループです。
	従来の “農作物としてのコーヒー” ではなく、“再現性を持つ芸術としてのコーヒー” を目指しています。発酵・乾燥・品種管理の全てが数値化され、温度・湿度・時間がデータとして蓄積される。同時に、自然との調和を尊重し、微生物・風・太陽・土壌といった要素を“味の共演者”として扱う。それがCGLEの真髄です。
	その哲学のもと、セロ・アスール農園は「ゲイシャに最も適した土地」として科学的に選出され、最高品質のゲイシャチェリーを開発するための理想的なテロワールが設計されました。
	
		 
	
	テロワールの奇跡
	
	
	セロ・アスールは、ポトシやラス・マルガリータよりもさらに南西に位置し、州都カリと太平洋の間に広がる丘陵地帯にあります。太平洋からの冷たい風が日中の強い日差しを和らげ、夜には気温が急降下する。この急激な温度変化が、コーヒーの樹に「生存戦略として糖を果実に集中させる」よう促します。
	その結果、チェリーは濃密で芳香豊かな果肉を持ち、甘さと風味の強度が驚くほど高いレベルに達します。
	火山性の赤色土壌は、ミネラル分と排水性に優れ、クリーンで精緻な酸構造を支えます。香味成分のもととなるモノテルペン(リナロール、ゲラニオール)の発現率も極めて高く、“花の香りが咲く土壌”と評されるほどです。
	このような環境が、セロ・アスールのゲイシャを「花のように香り、果実のように甘い」と形容させるのです。
	
		 
	
	品種とプロセス
	
	
	ゲイシャ(Geisha)は、1930年代にエチオピア・ゲシャ村で発見された野生種を起源とします。その後パナマで再発見され、2004年のBest of Panamaをきっかけに世界を席巻。以来、スペシャルティコーヒーの頂点に立ち続ける品種です。
	セロ・アスールで栽培されるゲイシャは、リゴベルト氏がパナマから直接持ち帰った系統を基にしたもので、他のゲイシャよりも香味の密度と甘みの厚みが強いのが特徴です。
ゲイシャは高標高・冷涼な環境で最大限にポテンシャルを発揮しますが、同時に極めて繊細で収量が少ない難しい品種でもあります。リゴベルト・エレーラ氏は、コロンビアでこの女王を栽培するための土壌・気候・発酵条件を十数年かけて確立しました。
	本ロットはナチュラルプロセスによって仕上げられています。完熟したチェリーだけを手摘みし、水槽で浮遊選別を行った後、一粒ずつ目視で確認。
	わずかな欠陥果すら排除するこの作業は、エレーラ氏が“品質の心臓”と呼ぶ工程です。
	発酵は18〜22℃の安定した温度環境で、オープンタンクにて約80時間行われます。この間、果皮に棲む自然酵母と乳酸菌がゆっくりと活動を始め、複雑でクリアな香味構造を形成します。過発酵を避けながら、果実本来の芳香を引き出すために、タンク内の香りと温度変化は常に監視されます。
	その後、発酵を終えたチェリーは38〜40℃の穏やかな温度で短期間プレドライ。続いて、セロ・アスール特有のパラボリック・ソーラードライヤーで12〜15日間、自然光と風の力だけで乾燥させます。太陽光の角度や風速を細かく調整しながら、豆の内部に果実糖をゆっくりと浸透させていく――それはまさに“光を操る職人技”。
	乾燥を終えた豆は、GrainPro袋に包まれて涼しい倉庫で1〜3か月静置されます。このスタビライゼーション期間によって水分が均一化し、香味が落ち着き、透明感と甘みが調和します。
	最終的に、比重・色差・形状による精密な選別を経て、トップグレードの豆だけが出荷されます。
	
		 
	
	カップの印象
	
	
	カップからは、ジャスミンやローズのフローラル、オレンジやライチの果実感、ハニーやラムのような滑らかな甘香が続き、冷めてもなおチョコレートのような甘苦い余韻が残ります。その変化は、コーヒーというよりもワインに近い “香りの旅” 。
	「フローラルでありながら、果実そのものの重厚感を持つ」──それが、セロ・アスール・ゲイシャ・ナチュラルの真骨頂です。
	
		 
	
	バイヤーコメント
	
	
	IRIS同様に、私の大好きな農園のひとつです。
	近年は競技会で目にする機会が少なくなりましたが、かつては毎年のように大会で使用され、そのたびに「やっぱり美味しい」と感じさせてくれるコーヒーでした。
	特に印象に残っているのは、2019年にElysiaがWBrCで使用したCerro Azul Geisha Napoleon。その時の豆を分けてもらって飲んだ際、まさにCerro Azulらしい濃厚な甘さと存在感に心を奪われたことを今でもはっきりと覚えています。
	そして今回、改めて今年のロットをカッピングしてみると、その印象は今も変わらず――むしろスイートネスの高さと透明感が一層際立って感じられました。
	濃厚でありながら重たさがなく、芯の通ったリッチな味わい。甘さの奥にある「綺麗さ」は、この農園ならではの魅力だと思います。
	毎年変わらず美味しいと感じさせてくれるのは、偶然ではなく、品質向上への不断の努力と、安定したロットづくりに対する妥協のなさの証でしょう。
	そうした姿勢が垣間見えるからこそ、この農園のコーヒーは私にとって特別な存在であり続けています。
	
		 
	
【生産国】コロンビア
	
【地域】カウカ
	
【農園】セロ・アスール
	
【生産者】リゴベルト・エレーラ
	
【標高】1,700〜2,000 m
	
【品種】ゲイシャ
	
【プロセス】ナチュラル
	
【焙煎度】浅煎り
	
	
Country:Colombia
	
Region:Cauca
	
Farm:Cerro Azul
	
Producer:Rigoberto Herrera
	
Altitude:1,700〜2,000 m
	
Varietals:Geisha
	
Process: Natural
	
Rost Level:Light Roast
	
コーヒーの保存方法について >>
		
	
	コーヒー豆は、チャック付バッグに入れてお届けいたします。
背面にはコーヒー豆の焙煎日が記載されています。
<美味しく飲む目安>
ハンドドリップ:焙煎から2〜3週間くらいが豆の持つ風味がバランスよく感じられます。
エスプレッソ:焙煎から3週間前後くらいが甘さを感じやすく、ミルクとの相性もよく感じられます。
焙煎後2ヶ月くらいまでを目安にお召し上がりください。
<長期保存について>
飲みきれない場合は密閉容器で冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存の場合は、半年ほどの期間を目安にお召し上がりください。
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