
HARIO V60 MUGEN - EL SALVADOR TRES POZOS PACAMARA NATURAL
トレス・ポソス農園のパカマラ種ナチュラル・プロセスでは、コーヒーがもつ果実の輪郭や華やかさを引きだすために、抽出レシピに工夫を施しました。
ドリッパーは、内側にリブがすくなくチャネリング(お湯がコーヒー粉と十分に接触せず抜け出てしまう現象)が起きにくい「HARIO V60 MUGEN」を使用することで、しっかりとしたボディ感、滑らかな口当たりを実現しています。
また、味の構成を整えるために、前半にお湯を集中して注ぐことで酸や甘さを際立たせ、後半は注湯を抑えることでビター感を抑制しています。その結果、フルーティーな香りや甘さが引き立ち、雑味なく洗練された味わいに仕上がります。ぜひお試しいただければと思います。

使用器具:HARIO V60 MUGEN
粉量 / 粒度:16g / 中挽き (TIMEMORE C3S 13クリック)
湯温 / 湯量:92°C / 240 g (白神山地の水)
時間 - 総湯量 (注湯量)
0 : 00 - 40g (40g)
0 : 35 - 160g (140g)
1 : 10 - 240g (80g)
エルサルバドル北西部、ホンジュラスとの国境にほど近いチャラテナンゴ県。標高1,650m にあるトレス・ポソス農園は、「Tres=3 Pozos= 井戸」という名のとおり、3つの井戸を水源にもつ高地にあります。農園を営むアルマンド・グアルダード氏は、30 年間暮らしたアメリカから帰郷し、土地の力と人の手を丁寧に重ねながら、その地でコーヒーを育てています。
チャラテナンゴのテロワールは、エルサルバドルでも特異な個性をもっています。土壌は、コーヒー栽培では一般的な火山性土壌ではなく、古代の海洋性堆積岩や変成岩が風化してできた非火山性の土壌で、カルシウムやマグネシウムなどの微量ミネラルが豊富に含まれ、pHも やや中性寄りです。さらに、標高1,650mの高地気候と昼夜の寒暖差が、果実の成熟をゆっくりと促します。チャラテナンゴの地で育ったコーヒーが、綺麗で「凛」とした華やかさをまとうのは、そうした環境と自然のリズムのなかでじっくりと育まれているからなのかもしれません。
そして、ナチュラル・プロセスによって、パカマラがもつ果肉の厚みと糖度が活かされ、ベリーやグアバのような濃密な果実感、バニラやシナモンのようなスパイスの香りが引き出されています。何層にも重なる香りと、舌の上でゆっくりとほどけていく甘さ。この一杯のなかに、トレス・ポソスという農園がもつ自然の恵みと人の想いが溶けこんでいます。
クリーンで華やかな香りに、果実の輪郭がしっかりと感じられ、滑らかな口当たりと自然な甘さがゆっくりと余韻を引き延ばしていく──。そんな、この土地ならではの味わいをお楽しみください。