記事: 【Portrait of a Barista】山﨑美穂 / ウッドベリーベーカリー
【Portrait of a Barista】山﨑美穂 / ウッドベリーベーカリー
ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」
今回はウッドベリーベーカリーの山﨑さんに、6つの質問を答えていただきました。
Q1 生まれ育った街について教えてください。
新潟県新潟市の中央区で育ちました。当時はあまり実感がありませんでしたが、新潟駅があるところなので大きな商業施設があったり公共交通機関も充実していて住みやすい場所でした。いまは新潟駅も新しくなって、私がいないあいだにどんどん変わっていく地元の姿が嬉しくもあり、寂しくもあります。
高校が海に近かったので、よく友だちといっていました。ほかにもキャンプができる場所や自然のなかで遊べる場所がたくさんあったり、ご飯がおいしいのも地元の好きなところです。
Q2 バリスタを目指したきっかけは?
私はバリスタではなくベーカリーで菓子製造をしているのですが、入社当初はオールラウンダーを目指していました。
もともと、カフェで自分の思っていることをノートに書いて過ごすのが好きで、そんなふうに人それぞれ好きな過ごし方ができる空間をつくりたいと漠然と思っていました。前職の休職中にたまたま荻窪店を訪れたことがウッドベリーを知ったきっかけだったのですが、採用のお知らせをみたときに、もしダメだったら働いていた病院にもどろうという気持ちで思いきって応募してみたんです。
ただ、荻窪店で働きはじめたものの、なかなか手早く作業ができず、お客様をお待たせしてしまうことに焦る気持ちが大きくなってしまい、挫折してしまいました。退職も考えましたが、そんなときに荻窪店に新しく作るセントラルキッチンへの異動のお話をもらったことが、結果として大きなターニングポイントとなりました。セントラルキッチンで全店舗分の菓子製造を任せてもらったことで責任感がより一層強くなったことや、荻窪店でさまざまな経験をしたこと、そして支えてくれたスタッフや一緒に励むベーカリーのメンバーがいたからこそ、ベーカリーの立ち上げを乗り越えることができたと思っています。
Q3 好きなコーヒー豆を教えてください。
じつはウッドベリーに入ってから、あまりカフェインに耐性がなく、飲む時間によっては寝られなくなったりすることに気がつき、最近はデカフェをオーツラテにして飲むことが多いです。いま取り扱っているエチオピア/タデGGの華やかでありながらキャラメルのような甘さをもっているところも、過去に販売していたメキシコ/チアパスのなめらかでチョコレートやアーモンドのような味わいを感じられるところも、どちらもおいしくて好きなコーヒーです。
Q4 いまハマっているカルチャー(本や音楽、映画など)を教えてください。
ヨーロッパやアメリカの古着が好きです。下北沢に大学生のころから通っている古着屋さんがあり、いまでもしょっちゅう行っています。とくにヴィンテージの古着は、色味やデザインなども含め、この世にひとつしかない特別感があって、惹かれます。
今日も履いているカーキのミニタリーパンツはイギリス軍のデッドストック品で、とくに思い入れが強いです。カーキのボトムスは定番ですが、これを買うまでは組み合わせ方がわからないと、もっていなかったんです。でも、福島の古着屋さんに行ったときに友だちに薦められて買ってみたら、自分のもっている服にもあわせやすくて、五年経ったいまでもよく履いています。
Q5 最近食べておいしかったものを教えてください。
荻窪にある「赤津庄兵衛」という居酒屋がお気に入りです。「本日のお刺身」として小鉢が五種類ほど時間をかけて出てくるのですが、こだわりのお醤油のほかにもすだちなど珍しい合わせ方も案内してくださって、どれも本当においしくて楽しめます。
また、お店で飲んだ岩手のNON°というメーカーのどぶろく(「どぶろく生酛無添加生」)も衝撃的でした。お米と米麹、水だけでつくられているのに、すごくシュワシュワしていて、カルピスを飲んでいるような乳酸菌と、フルーティーさが味わえる。アルコール度数は高いので、いちど飲み過ぎて帰り道が大変でした(笑)。
店員さんも、いつも楽しそうに提供してくれて、お店やお料理がすごく好きなんだということが伝わってきます。そういうところも素敵なお店でした。
Q6 これからの未来のためにしていることは?
「センスがある人」に憧れていて、自分のセンスを磨くためにたくさんインプットすることをつねに意識しています。
たとえばベーカリーの商品開発では、PinterestやInstagramを使って調べた、海外のベーカリーやパティシエのレシピも参考にしました。日本だとまだヴィーガンのお菓子レシピは多くないのですが、海外にはたくさんあるんです。コーヒーとイチジクのパウンドケーキのベース生地は、これまでのレシピを使いながら、よりふんわり感を出すための材料など、海外のレシピから得た発見を活かしてつくったものです。それまでは国内の情報しか調べていなかったので、自分のセンスを磨くためにも、これからも勉強を続けていきたいと思っています。