








エルサルバドル ブエナ・エスペランサ農園 セントロアメリカーノウォッシュド
Taste of Cacahuatique
深みのなかに、静かな透明感を感じるコーヒー
私たちが毎年訪れる大切な農園から、新しいロットが届きました。
エルサルバドル北東部・カカウアティケ山地に広がるブエナ・エスペランサ農園。スペイン語で「よき希望」を意味するこの農園では、森に暮らす鳥や虫たちと共存しながら、農薬や化学肥料に頼らないコーヒー栽培が行われています。落ち葉や微生物がゆっくりと土へ還る循環のなかで、この土地ならではの穏やかなエネルギーが育まれています。
今回ご紹介するのは、「Centroamericano(セントロアメリカーノ)」という特別な品種を、ウォッシュドプロセスで丁寧に仕上げたスペシャルティコーヒー。深煎りにすることで、チョコレートを思わせるしっかりとした甘さと、赤ワインのような奥行きを引き出しました。そのなかに、ライムを思わせるほのかな明るさや、ハーバルなニュアンスが静かに重なり、しっかりとした立体感が感じられます。
朝のコーヒータイムにも、食後のゆったりした時間にも寄り添ってくれる味わい。深煎りらしい安心感を持ちながら、スペシャルティコーヒーならではの複雑さや透明感も楽しめるロットです。日々のコーヒータイムのなかで、少しずつ表情の違いを感じていただけたら嬉しく思います。
感じられるフレーバー
生産者のアンドレス・キンタニーヤ氏
Origin of Cacahuatique
二千万年の時間が育てた、東部エルサルバドルの輪郭
エルサルバドルのスペシャルティコーヒーというと、西側の火山地帯を思い浮かべる方も多いかもしれません。一方、東部のカカウアティケ地域は、まったく異なる土壌の成り立ちを持っています。ここでは二千万年前に活動を終えた古い火山岩が、現在もゆっくりと風化を続けています。新しい火山灰が次々と積もる土地ではなく、長い年月をかけて母岩からミネラルが滲み出し、穏やかで安定した土壌環境が形成されています。
この土地で育つコーヒーは、派手な華やかさというよりも、落ち着いた深みと奥行きが特徴です。深煎りに仕上げることで、ビターチョコレートのような甘さや滑らかな質感が際立ちながら、後半にはハーバルな清涼感やほのかな柑橘感も感じられます。重厚感がありながら、味わいが濁らず、最後までクリーンに続いていく印象です。
農園を率いるアンドレス・キンタニーヤ氏は、自然の循環を壊さずに品質を育てる生産者です。森の生態系をそのまま農園に取り込み、鳥や昆虫、微生物たちが本来持つ働きを活かしながらコーヒーを育てています。土地と共にある農業の考え方が、この穏やかで奥行きのある味わいへと繋がっています。
Land and People
森が呼吸するように、土壌も育っていく
カカウアティケの土壌は、西部の火山地域とは少し異なります。ここでは、古い流紋岩や安山岩が、雨や微生物の働きによってゆっくりと分解され、長い時間をかけて土壌を形成してきました。急激に栄養を供給するというよりも、必要なミネラルを少しずつ土へ届け続ける、穏やかな循環型の環境です。
さらに農園では、多層構造のシェードツリーが重要な役割を担っています。落ち葉はそのまま土へ還り、有機物が分解されることで新たな栄養へと変化。東部特有の湿度も、この循環をゆっくり支えています。森全体が一つの大きなコンポストのように機能しているのです。
アンドレス氏は、この自然の流れに人が介入しすぎないことを大切にしています。農薬で一時的に整えるのではなく、生態系そのもののバランスを維持すること。その積み重ねが、深煎りでも輪郭が失われない、クリーンな味わいへと繋がっています。
Native Varietals
「おいしさ」と「育てやすさ」を両立した、Centroamericanoという品種
Centroamericano(セントロアメリカーノ)は、近年のスペシャルティコーヒー業界で注目されているF1ハイブリッド品種です。簡単に言えば、「病気に強く、たくさん実をつけるサルチモール」と、「風味の良さで高く評価されるスーダン・ルメ」を掛け合わせ、それぞれの長所を一つにまとめたような存在です。
コーヒーの品種は、一般的に「育てやすさ」と「風味の良さ」を両立することが難しいと言われています。収量や耐病性を優先すると味が単調になりやすく、反対に風味を追求すると栽培が難しくなることも少なくありません。Centroamericanoは、その両方を高いレベルで成立させるために開発された新しい品種です。
実際の味わいにも、その特徴がよく表れています。深煎りにしても味が平坦になりにくく、チョコレートのような甘さやワイニーな奥行きをしっかり感じながら、後半にはハーバルなニュアンスやほのかな柑橘感も残ります。重厚感と複雑さが共存していることが、このロットからも感じていただけるはずです。
Clean Washed Craft
深みを支える、クリーンなウォッシュド
このロットでは、ウォッシュドプロセスによって味わいの輪郭を丁寧に整えています。完熟したチェリーを選別したあと、果肉を除去し、発酵工程を経てミューシレージを洗い流すことで、クリーンで透明感のある味わいへと仕上げていきます。
深煎りというと、力強さや苦味に意識が向きやすい一方で、このロットでは「重たいだけでは終わらないこと」を大切にしました。ウォッシュドらしいクリアな質感があることで、ビターチョコレートのような甘さやワイニーな奥行きがありながら、後味には軽やかさも残ります。
Centroamericanoの持つ密度感を活かしながら、毎日自然と飲みたくなるバランスへ。その土台を支えているのが、この丁寧なウォッシュドプロセスです。
Selected Lot Journey
自然の力を借りながら、未来へつなぐ農園づくり
ブエナ・エスペランサ農園では、「人が管理しすぎないこと」も品質設計の一部として考えられています。落ち葉を無理に片付けず、森が自ら分解し、土へ還していく流れを守ること。鳥や昆虫が暮らせる環境を残し、自然のバランスによって害虫を抑えること。そうした積み重ねが、農園全体の安定した循環へと繋がっています。
また、アンドレスは地域の子どもたちへの教育支援にも力を入れています。単に現金を配るのではなく、「学び続けることで未来の選択肢を広げる」仕組みをつくること。短期的な利益だけではなく、地域全体が持続的に成長していくことを見据えています。
私たちがこのロットに惹かれた理由も、単なる味わいだけではありません。土地、品種、精製、そして農園の考え方。それぞれが自然に繋がりながら、一杯のコーヒーとしてまとまっていること。その静かな一体感に、大きな魅力を感じています。
【生産国】エルサルバドル
【地域】カカウアティケ
【農園】ブエナ・エスペランサ農園
【生産者】アンドレス・キンタニーヤ
【標高】1,500m
【品種】セントロアメリカーノ
【プロセス】ウォッシュド
【焙煎度】深煎り
Country:El Salvador
Region:Cacahuatique
Farm:Buena Esperanza
Producer:Andres Quintanilla
Altitude:1,500m
Varietals:Centroamericano
Process: Washed
Rost Level:Dark Roast
コーヒーの保存方法について >>
コーヒー豆は、チャック付バッグに入れてお届けいたします。
背面にはコーヒー豆の焙煎日が記載されています。
<美味しく飲む目安>
ハンドドリップ:焙煎から2〜3週間くらいが豆の持つ風味がバランスよく感じられます。
エスプレッソ:焙煎から3週間前後くらいが甘さを感じやすく、ミルクとの相性もよく感じられます。
焙煎後2ヶ月くらいまでを目安にお召し上がりください。
<長期保存について>
飲みきれない場合は密閉容器で冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存の場合は、半年ほどの期間を目安にお召し上がりください。
詳しくはこちら >>
高品質なコーヒーを飲み続けられる未来のために私たちができること
高品質なコーヒーを未来にわたり楽しみ続けるために、私たちはダイレクトトレードを推進しています。近年、気候変動の影響によりコーヒーの生産量は減少傾向にあり、2050年には生産適地が50%減少するとも言われています。この問題に対応するためには、生産者が品質維持のための投資を行える環境を整えることが重要です。
そのために、私たちは中間手数料をできるだけ抑えながら、生産者に適正な価格で買い付ける仕組みを構築。これにより、生産者が継続して高品質なコーヒーをつくり続けられる未来を支えています。
ダイレクトトレードの取り組みについて
私たちウッドベリーコーヒーは「コーヒーに携わるすべての人が豊かになること」を目指しています。
【EPISODE OF EL COLORIDO】
の連載で取りあげた「グアテマラ/エル・コロリド」もまた、その目標を実現するための取り組みのひとつでした。
グアテマラを訪れた私たちはそして、もうひとつの夢であったダイレクトトレードをおこなうべく、エルサルバドルへと向かいました。
以下の連載では、私たちがおこなったエルサルバドルとのダイレクトトレードについてお伝えしていきたいと思います。実際に現地訪れた際の農園の姿や生産過程、コーヒー生産にかかわる想いをオリジナルマガジンにて綴っています。
こちらもぜひ合わせてご覧ください。
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.1】ダイレクトトレード─夢に向かって
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.2】コーヒーが国をつくった─エルサルバドルのコーヒー産業の歴史
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.3】エルサルバドルコーヒーとトレンドの転換期
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.4】6つの生産地域とパカマラ
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.5】「続ける」ことでみえる景色
【DIRECT TRADE WITH EL SALVADOR VOL.6】3年目の旅路
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