記事: 【Portrait of a Barista】清藤 翔平 / 渋谷店

【Portrait of a Barista】清藤 翔平 / 渋谷店
ウッドベリースタッフのオリジンや内面に迫る「PORTRAIT OF A BARISTA」
今回は渋谷店の清藤さんに、6つの質問を答えていただきました。

Q1 生まれ育った街について教えてください。
鹿児島県の鹿児島市です。田舎ではありつつも、住んでいた場所はいわゆるベッドタウンだったこともあり、鹿児島生まれだということを特別に意識していたわけではありませんでした。
ただ、「鹿児島にずっといたくはない」という思いだけが漠然とあり、大学進学を機に上京しました。最初こそエネルギーもあったし、やることなすことすべてが新しく、憧れていた東京生活を満喫していましたが、就職してしばらく経ったころには東京にも慣れ、いろいろなことが重なって疲れてしまい、鹿児島にもどりました。
Q2 バリスタを目指したきっかけは?
ふと、井崎英典さんの『世界一のバリスタが書いた コーヒー1年生の本』を手に取ったんです。でも、僕は缶コーヒーを飲むくらいで、本を読む習慣もなく、この本を手に取った理由が自分でもわからないんです。もしかしたら30歳を目前にして「鹿児島が嫌だと出て行ったのにもどってきて、人生このままで良いのか」と、焦りのようなものを感じていたのかもしれません。
そして、ほぼ同時期に30歳以下ならワーキングホリデーに行けること、メルボルンはカフェ文化が盛んだということを知りました。僕にとっては、点と点がつながるようで、「もう行くしかない」と考えはじめたんです。
それから1年間、知り合いのカフェで働きながら準備して、満を持して向かったメルボルンでは、ほかの仕事をしながらずっとバリスタの仕事を探していたような感じでした。いちおうバリスタも経験できましたがシビアな世界。英語が流暢なわけでも経験が豊富なわけでもなかったので、甘い考えだったと痛感しました。
でもメルボルンのカフェ文化に触れられたことは、とても大きなことでした。カフェでコーヒーを飲むことが生活の一部として根づいていて、店員さんと常連さんのあいだで日常的な会話が交わされていたり、コミュニティのようになっているんですね。その意味では、ウッドベリーもそれに似たアットホームな空気感があったことも、働きたいと思った理由のひとつでした。とくに渋谷店は海外のお客様も多いので経験を活かせているとも思いますし、メルボルンのカフェ文化には本当に大きな影響を受けたと思っています。

Q3 好きなコーヒー豆を教えてください。
ブラジルCOEの1位受賞ロットでもあるM&Fコーヒー(ビオマ・カフェ)は、嫌気性発酵の嫌なクセもなく、ワイニーな後味までずっとクリーンで美味しいコーヒーで、記憶に残っています。このロットに使われているアララはまだ新しい品種で、その品質の高さから「ブラジルのゲイシャ」とも呼ばれることもあると知って、それ以降とくに注目しています。コモディティコーヒーのイメージが強いブラジルの印象がガラッと変わるコーヒーでした。
Q4 いまハマっているカルチャー(本や音楽、映画など)を教えてください。
濱口竜介監督のインタビューを読んで以来、できるだけ映画館に行くようにしています。暗くて、映画だけに集中できる空間に身をおいてこそ得られる没入感があるので、いまでは休みの日には映画館をはしごして2本観ることもあります。
一緒に働いているすずねさんが映画に詳しいので、彼女のお勧めを観ることが多く、いわゆる娯楽性の高い映画よりも考えさせられる映画のほうがどんどん好きになっていっていますね。最近だとカナダの韓国系移民を題材とした『ライスボーイ』や『ハムネット』がとくにおもしろかったです。
Q5 あなたのリラックス法を教えてください。
劇場で映画を観たり小説を読んだりする時間もリラックスできるひとときですが、いま新しく始めたいと考えているのがピラティスです。運動不足やストレスの解消にもなると思いますし、とくにスマホを見ているときなどに慌てて姿勢を正すことが増えてきたので、姿勢を改善したいんです。筋トレで筋肉をつけたいわけではない僕にとっては、体を整えながら気持ちもリフレッシュできそうなところが気になっています。
また、姿勢は仕事にもかかわることで、猫背でコーヒーを淹れるのは見栄えもよくないと思うんです。とくに渋谷店はどこからでもカウンター内のバリスタが目に入るつくりなので、姿勢がよくなればコーヒーも美味しくなるはずです。

Q6 これからの未来のためにしていることは?
年齢を重ねるごとに、僕は人に恵まれて生きてきたんだと、実感しています。だからこそ、スタッフやお客様も含め、人との出会いを大切にしたいと思っています。
ウッドベリーの「to make the earth a better place」という理念には、人との出会いも含まれていると僕は思っています。環境問題や生産者さんに真摯に向き合うと同時に、自分が淹れたコーヒーでお客様が笑顔になったり、一日ハッピーに過ごせたら、その人にとっての地球がより良いものになるはずです。そんな出会いを届けられるような存在になりたいです。







